「今」を大切に生きること
- atelier_solo

- 2020年5月7日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年5月9日
今日当たり前なことが明日も当たり前とは限らない。
そう思う経験を何度しただろうか。
それは嬉しかったことや楽しかったことより、ずっとずっと心にひっかかり消えない経験。
いつのまにか身につけた処世術は、「今日できることは今日やる」ということ。
明日に後悔を残すくらいなら、今のこの苦労のほうがずっと心が楽だということを知っているから。
「不要不急」が飛び交う中で、この信念が最善なのかどうかはわからない。だけど「今」じゃなきゃないといけないこともあると強く強く信じている。
先日、結婚式を控えた新郎新婦より、結婚式より前に写真だけ撮りたいというご依頼があり私は快く引き受けた。事情を伺うと、おばあ様が入院されており結婚式には出席できそうにないから、病院まで赴きドレス姿で一緒に撮りたいと。加えて、おばあ様の状態もあまりよくなく、もしかしたら結婚式までもたないかもしれないから写真だけは早く撮りたいと。
そういうことならばと、二人と私たちとで予定の合う一番近い日で撮影日を決め準備を進めることに。
準備万端で迎えた前日、新婦よりおばあ様が危篤状態だと連絡が入った。もう目と目が合うことも声を届けることもできないだろうが、それでも命のある限り撮影はしたいという強い意思だった。もちろん私も最後の最後までできることはするつもりでいたので、ぎりぎりまで待つことを伝え、いつ連絡がきてもいいようにと携帯を握りしめて待機していた。
携帯の呼び出し音が鳴ったのは日付も変わり撮影当日となった深夜1時過ぎ。願いは届かず、おばあ様は静かに天国へと旅立たれたと。
なにもできなかった自分への無力さと、なぜ「あと1日でも撮影日を早めませんか?」の一言がかけられなかったのかという後悔だけが心を占めた。そんなことはもう後の祭で、なにをどうあがいても花嫁姿をおばあ様に見せることができなかったという真実は変えられない。いいわけならいくらでも出てくる。でもそんなもので二人の心も、自分の心さえも救えない。
世の中にはほかのなにものにも代えられない
「今」じゃなきゃいけないこともある
結婚式を延期されたり自粛されたりとつらく苦しい決断をされている中で、「今」を求めていらっしゃる方もあるはず。大きな声で言えない状況なだけで我慢されている方もきっといる。
だれになにを遠慮するでなく、「今」を選ぶことはそれは間違いではなくそれが最善なのだということをこれから生きる未来で証明すればいい。だから「今」をあきらめるのではなく、「今」できる方法を見出したい。心配せずともその知恵や手段が私たちには備わっている。
これまでも今よりもっともっとつらく大変な時代もあったはずだけど、結婚式がなくならなかったのが何よりもその証。その時代その時代で形を変えながら大切に守られてきたのだと思う。私たちウェディングプランナーは思いと人と場所さえあれば結婚式をつくれる。かたちだけ取り繕う結婚式ではなく、心震える価値ある結婚式を。
やってよかったと言ってもらえる自信を持てるくらいに、これまでも誠実に向き合ってきた。だから大丈夫。安心して任せてほしい。そう思っているウェディングプランナーはたくさんいるはず。
「今」を大切に生きることは幸せな未来への投資。
明日も明後日も1年後も10年後も大切な人と笑っているために。











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